【はじめに】 基本的に、ここで書くのは言葉的な解釈だけです。「曲のテーマ」とか「メッセージ」とかは聴いたひとそれぞれが感じるものなので、そのあたりの考察にまでは踏み込まないようにしたいかなと思います。

orbital period
BUMP OF CHICKEN
TOY'S FACTORY Inc.(VAP)(M)
2007-12-19



【歌詞の大まかな意味】

安心したら、その安心が消えてしまうことが怖くなるよね。
今がまさにそんな気分。
それなら、この今の気持ちを後まわしにしてしまえばいい。
ちゃんと向き合わずに、忘れればいい。
そうすれば安心はいつまでたっても消えないから。

こんなことを過去に何度も繰り返してきた。
いつもいつも、未来に先送り。

温かいものはいつか冷えてしまうよね。
いのちはいつか消えてしまう。つないだ手は離れてしまう。
その時のことを考えると、怖くなって君にさわれないんだ。
これでいいよね。
何ももらわなければ、何かをなくすこともない。

「もういいかい」と、向き合わなければいけない過去から声がする。
「まあだだよ」と、決心のつかない僕は返す。

そんなかくれんぼで隠れたって、
結局は自分から見ればどこにいたって世界の中心。
またすぐ見つかって鬼にされるだけ。
ずっと鬼のまま、自分を探しつづけるかくれんぼだ。

こんな思いをするなら、君に出会わなければよかった。
気持ちなんか伝えなければよかった。

 

輝くものに近づくと、自分がはっきり照らされてしまうような気がする。
だから怖くなって、君には近寄れない。
こっちから見つめることをしなければ、君に見られることもない。
昔は我慢して泣かなかったのに、今はちょっと、泣きそうだよ。

絶望すると、逆に楽になるでしょ。失うものがないからかな。
今がまさにそんな気分。
だからこんな今の絶望を、ずっと自分を守る傘みたいにして、
自分をごまかしたまま、過去からはるばる逃げてきた。
いつまでもこのままでいようって。
でも、捕まっちゃったんだ、たった今。

いくら隠れるのがうまくたって、探すのも自分なんだから、見つかるのは当たり前。
いつまでも続く、自分同士のかくれんぼだ。

 

隠れたほうの自分が叫ぶ。
「もういいかい、早く向き合えよ!」
もう何度繰り返したことだろう。

探すほうの自分はいつものように、
『まあだだよ、決心がつかないよ』

「お前なあ、まだかいいかの二択なんだよ。どっちか選ぶだけなんだよ。
いつまでも続けてられるわけでもないんだよ」

『そんなの、言われなくてもわかってる』
僕だって、自信を持って、こわがらずに叫びたいよ。もう一方の答えを…。

温かくて、輝いている君に触れるのがこわかった。
でもそんな情けない自分でも、ちゃんと向き合わなきゃ。
見つけてあげなきゃ。
そんな未来を捕まえなきゃ。
だからせーので叫ぶよ。

「もういいかい」と、過去から声がする。
今がその時だ。
『もういいよ!』

 

考えたんだ。
僕の隠れる場所は、いつも自分の心の中だったけど、
今度は君とちゃんと向き合って、君の中に僕を隠そうと思う。
探す必要のないかくれんぼだよ。

もし、君も僕と同じようにこわいなら、僕の中に隠れてほしい。
そうすればわざわざ探す必要もないから。
ずっとそこにあるんだから。
すぐに君の所に行くことだってできる。
だって僕はずっと、君の心の中でかくれんぼしてるんだから。

そうと決まれば、今すぐ君に会いに行かないと。
こうしちゃいられない。急いで行って、
もう一度、きちんと気持ちを伝えなくちゃ……。