【はじめに】 基本的に、ここで書くのは言葉的な解釈だけです。「曲のテーマ」とか「メッセージ」とかは聴いたひとそれぞれが感じるものなので、そのあたりの考察にまでは踏み込まないようにしたいかなと思います。

COSMONAUT
BUMP OF CHICKEN
トイズファクトリー
2010-12-15



【歌詞の大まかな意味】

君は子供の頃、鉄棒が上手だったけど、
やり慣れて油断していたんだろう。
ある日の昼休み、後ろ向きのまま落ちて頭を打って、
見上げた空に飛行船を見た。

優しい保健の先生は、よく泣かなかったねと褒めてくれたし、
普段そんなに仲良くない友達も、
必要ないのにおんぶしようとしてくれた。

掃除の時間中に教室に帰ったら、
ケガをしたことで注目の的。
でも、その後の体育の時間。
得意だった鉄棒が、上手にできなくなっていた。
一度失敗したことで、怖くなったんだ。

それから君はどうしたの。
あれ、忘れちゃったの。

あんなに必死に何でもないふりを取り繕って、
無理に笑ってみせたくせに。
みんなや、ちょっと気になるあの子の前で、
ムリに笑顔を見せたくせに。
君の鉄棒のことなんか、誰もたいして気にしない。
だけど、自分にとっては、
とても重大な事件だったのに。



そんなふうに何でもないふりができることは、
人生ではけっこう大切な能力だと思う。
いろんな場面で効果があるから、発揮する機会も多い。

ほとんどの人がその能力をしっかり身に付けていて、
たいていの焦りや不安は隠せるんだけど、
ほとんどの人が持っている能力だから、
たいていは相手に見破られていたりする。

小さなことにこだわる、不必要に大きなプライドのせいで、
眠れないほど不安な夜が続く。
誰だって経験してそうなありふれた悩みに、
人生を振り回される。

ダメでつらいのが当たり前の世の中だから、
君の人生がハズレなわけじゃないんだ。
おぶろうとしてくれた友達がいたように、
時々優しい手は差し伸べられるでしょ。
それが偽善でも、相手の自己満足でも、
優しさに出会えたなら、それを大切にして欲しい。



何でもないふりでどうにか切り抜けてきたけど、
切り抜けられない問題にぶち当たって、
どうしようもなくなる日が来てしまった。

本音を隠して平気なふりをしすぎたせいで、
何が自分の本当の気持ちかわからなくなった。
だけど鉄棒から落ちて、空に飛行船を見た頃は、
今よりもっと上手に生きれていたのかな?

あの時君はどうしたの。
さあ、思い出してみて。

君は隠れてひとりで泣いたくせに。
帰る途中、夕焼けの宮田公園で。
ちょっと怖いと思っていた神様のほこらを、
その日だけは守り神のように思いながら。



あの頃やったように、今の君も、
もうじゅうぶん必死に取り繕って笑ったよ。
友達だったみんなや、ちょっと気になっていたあの子だって、
人前では笑って、
だけど時にはちゃんと泣いている。
泣いたって大丈夫、また笑えるようになる。

一人一人の悩みは、
誰もたいして気にしないちっぽけなこと。
共有することのできない、自分だけのこと。

だから偽善でも、自己満足でも、
それが精いっぱいの優しさ。
出会えたなら、迷わず受け止めて欲しい。
きっともう目の前にあるから、だいじにして欲しい。