Butterflies(通常盤)
BUMP OF CHICKEN
トイズファクトリー
2016-02-10



【はじめに】 基本的に、ここで書くのは言葉的な解釈だけです。「曲のテーマ」とか「メッセージ」とかは聴いたひとそれぞれが感じるものなので、そのあたりの考察にまでは踏み込まないようにしたいかなと思います。


【大まかな意味】

月の光もない、太陽の光も地球にさえぎられた
真っ暗な世界にふたりで駆け込んで、
僕は君の冷えた手を握りしめながら
君の笑顔を暗やみをすかしてそっと見ていた。

こぼしたため息が合図だったように、同時に空を見あげた。
せっかく流星群が見える夜なのに
何度見ても、夜空は雲で覆われたままだ。

何も動かない世界では、
ただ胸の中の感情だけが強くあふれだしてきて、
話すことも忘れてその感情に身をゆだねていた。

星の降る、このおとぎ話のような夜を、
君と一緒に迎えることができてよかった。
僕の右手に伝わる君の体温が、まるで灯のような光と暖かさを僕にくれた。
だけど君の笑顔の奥から感じられたのは、かすかな苦しみの影。
そのありかが、僕は流星群より気になって、どうしても見てみたくて、
君に気づかれないようにこっそり探している。


静かすぎて、心にいろんなことが思い浮かんだ。
そうやって育ってくる感情はたくさんあるけど
その中でも辛い感情は特別強いせいで、
どんな思いも押しのけて広がってしまう。
それが君の心の外まであふれ出てくるようで、僕の気持ちまで辛くなった。

僕らが今ここで、ふたりでこの世界から逃げていなくなったとしても、
きっと誰も気にしないし、追ってもこない。

実際に声に出して言うわけじゃない、でも君の苦しみは、
しっかり大きな声になって僕に届く。
こんなに必死で、懸命な声は、とても美しいものだと僕は思う。
本当は、雲に覆われた宇宙のきらめきは全て、
君の中にもうあるんだ。
他人を傷つけることなんか気にしなくていい、
君には何より先に、君自身を大切にしてほしい。


ため息をこぼしたとき、
冷たかった君の手はあふれる感情に熱くなっていた。
もう空なんか見てなかった僕らの上で、雲の隙間に一筋の星が通った。

このおとぎ話のような夜に、
やっと本当の君と出会うことができた。
君を傷つけることになっても知りたかった君の苦しみに、
僕はやっと触れることができた。
本当は、雲に覆われた星は全て、君の中にもうあるんだ。
だから流星群なんかもう見なくていい。
君の笑顔が隠していた涙を、
君の全てを、
今やっと、僕は見ることができたんだから。

頼りにしてきた言葉が、もう空虚な励ましにしかならなくなっても。
自分で自分のことをけなしてばかりでも。
苦労して手に入れた希望がはかなく消えてしまっても。
君の声は僕に届く。

選択肢のない長い道のりに怖くなったときや
怖くても進みつづけなくてはいけないときは、
思いだしてほしい。
僕がどうしても見たかったもの、どうしても手に入れたかったものは全て、
君の中にもうあるってことを。


【補足】
・冒頭の「月が明かりを忘れた日」とは、ライブMCによると月が欠け切って新月となる日とのこと。