【はじめに】 基本的に、ここで書くのは言葉的な解釈だけです。「曲のテーマ」とか「メッセージ」とかは聴いたひとそれぞれが感じるものなので、そのあたりの考察にまでは踏み込まないようにしたいかなと思います。

魔法の料理 ~君から君へ~
BUMP OF CHICKEN
トイズファクトリー
2010-04-21



【歌詞の大まかな意味】

叱られたあとにも、いつもと同じように出してもらえる晩ごはん。
あれは本当に不思議だった。
まるで魔法か何かのように、それを見るだけで涙が出た。

おもちゃの剣でピアノを引っ掻いて、それで叱られたんだっけ。
つい傷だらけにしちゃった。
本当はそんなつもりじゃなかったんだ。
だけど、うまく説明できなかった。

「もっと大きくなって、自分の気持ちをちゃんと伝えたい。
上手に話せるようになって、知ってもらいたい。
いまはまだ、どうやって伝えたらいいのか全然わからない」

君は自分の気持ちを伝えるすばらしい手段を、ちゃんと手に入れられるよ。
だから将来を楽しみにしておいて。
この先出会う、そんな君の宝物は、
ずっと大切なままで今もそばにあるよ。

 

あの頃持ってた三輪車はたしか赤色で、乗ればどこへでも行けるような気がした。
クマだと言ってひげじいがくれたぬいぐるみは、よく見ると犬のぬいぐるみだった。

おもちゃの剣でピアノにつけた傷は、本当は、飾りのつもりだった。
嫌いなピアノを、少しでも好きになろうとしたんだ。

「いまは一人だけど、もっと大きくなって仲間を見つけたい。
本気で理解し合いたいと思えるような、
日が暮れても一緒に秘密基地づくりをしてくれるような仲間を」

期待以上のものに君は出会うよ、でもいいことばかりじゃない。
結局言えないままだった気持ちもやっぱりあって、
それはそんな仲間にも言えないままで、いまでも形を変えずに心の中にあるから。

そんな気持ちが、この先もっと増えてもいくから。

 

怖いと思っていたパパが、本当は優しい人だったこと。
いつも面白いママが、実は泣くときもあること。
おばあちゃんが歳をとって、君の顔を忘れてしまったりすること。
あのぬいぐるみは犬だよって伝えられないまま、ひげじいがいなくなってしまうこと。

ずっと先のことだけど、そんなことを君はいつか全部知ることになる。
ウソだと思いたい気持ちもわかるよ。だって僕は君なんだから。
ほら、そんなに悲しむなよ。

君の願いはちゃんと叶うから、
どんなに怖くても、未来から目をそむけないでほしい。
君はたくさんの宝物をこの先なくすけど、
でも、そのなくしたもののおかげで、僕は今の宝物に出会えたんだから。

君の願いはちゃんと叶う。大人になった君が言うんだから間違いない。
ずっと言えないまま抱えていた気持ちは、
ほら、君の願いどおりそのままの形で、
こうやって歌にできたんだよ。

 

昔よりたくさんのことがわかるようになったけど、
叱られたあとの晩ごはんは、今でもやっぱり不思議なままだ。
その謎は、僕よりもっと大きくなった君が解き明かすのかな。
そしてこんなふうに、君に教えてあげるのかな。

 

【補足】
◆曲名の「~君から君へ~」について
「君の願いはちゃんと叶うよ 大人になった君が言う」という歌詞の通り、「君から君へ」とは、「未来の自分」から「過去の自分」への語りかけを意味します。曲の中ではある子ども(=君)に、未来の君(=僕)が語りかけているわけですが、最後には「その謎は 僕より大きい 君が解くのかな」とあって、またさらに未来の「君」へとバトンが渡されています。

ナタリーのインタビューでは、藤原さんは次のように言い、自分が過去の自分に語りかける歌でもあるし、さらなる未来の自分からの歌いかけのような気もすると語っています。

「『今、こうですよ』ということを歌った、と僕自身は思うんです。で、自分自身に対してもそう歌われているような気もするし。……という気持ちで書いていった歌だ、と思います。だから、自分の中では『あたたかい』『優しい』という感覚はあまりないんです。そういう形容詞は、聴いた人が付けていってくれるんだ、と僕は思うので。『キモい』『サムい』で終わる人もいると思うし(笑)。だから、こればっかりはなー、って感じ。」
(https://natalie.mu/music/pp/bumpofchicken02/page/3)

※ 2018/03/16更新