車輪の唄
BUMP OF CHICKEN
トイズファクトリー
2004-12-01



【はじめに】 基本的に、ここで書くのは言葉的な解釈だけです。「曲のテーマ」とか「メッセージ」とかは聴いたひとそれぞれが感じるものなので、そのあたりの考察にまでは踏み込まないようにしたいかなと思います。


【大まかな意味】

いつ生まれたかはわからないけど、とにかく気づくと生まれていた。
生んでくれた人はすぐわかったから、
「夢」はまだ小さくてきれいな自分を、その人にそっと近づけてみた。
彼女はしばらくしてようやく気づき、「夢」に名前を付けた。

「いつから私のそばにいたの? 抱っこしてほしいの?」
聞かれても答えられないから、「夢」は代わりにからだを寄せるだけだ。
(僕のおかげで、ちょっとは温かくなったかな…)


それまで大して意義もなかった彼女の人生が、大きな意味を持ちはじめた。
「夢」をだいじに世話して、しょっちゅう触れてもみた。
やがて逃げないように輪とひもでつないで、見栄えよく着飾らせるようになった。
他人に見せびらかして自慢げだった。

「少しも私から離れないのよ。よく懐いてるのよ」
彼女に忘れられないように、「夢」はからだを寄せるだけだ。
(こんなことで覚えていてくれるのならお安い御用さ…)

一緒にいられれば、ちっとも寂しくなんかないと「夢」は思うけれど
彼女が名前を呼んでくれることが、少しずつだけど減ってきていた。


いつ生まれたかはわからないけど、とにかく気づくと生まれていた。
だけどもう、「夢」は最初の名前とは全然違った姿にされてしまった。
余計な飾りやひものせいで、もとの姿を忘れてしまった。
彼女もいつの間にか、自分の「夢」の名前を忘れてしまっていた…

昔とはまったく違った姿になってしまった「夢」に気づいて、彼女は泣いた。
よくそうしていたように、また触ってみたけど、
もうみずみずしくもなくて、弾むような感触もなかった。
ごてごてと飾ったものを「夢」から取り払ってみて、彼女はまた泣いた。
ああそうだ、もとはこんなにきれいなからだをしていた、と。

「私が自分で汚していたの? あなたを縛りつけていたの?」
つないだひもをはずしてもらって、「夢」は自由になった。

(でもこれからもそばにいるよ。ずっと一緒にいるよ。
 君にからだを寄せるのは、何より僕自身がそうしたいからなんだよ)

(一緒に生きているから、ちっとも寂しくなんかない。
 何もしてくれなくていいんだよ。
 僕の名前を呼んでくれること、それだけでいい。
 それだけでいいから、どうか忘れないで)


【補足】
・「夢」そのものが、自分を生んでくれた人=飼い主に対して語りかける曲です。

※ 2018/02/05更新